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    市川団十郎の死を悼む

    歌舞伎役者の市川団十郎さんが2月3日に亡くなり27日に葬儀告別式が行われました。
    団十郎さんは2004年に白血病に罹患し、抗がん剤による治療を繰り返していましたが、幸い寛解(白血病が殆どなくなる)して歌舞伎の公演を度々行っていました。2007年にはパリで公演し好評を博しました。
    私は子供のころから歌舞伎に興味があり、見に行っていました。しかしどうしても納得いかないことがあり不満を感じていました。それはその他大勢の役者(大部屋役者)はどんなに努力しても主役になれないという歌舞伎界の風習です。大根役者でも名門の生まれなら主役になれるという世襲制度に不満を抱いていました。
    ところが団十郎は19歳の時、父11代団十郎が亡くなり生活の糧や歌舞伎の指導者を失ってから奮起したそうです。生前のNHKのインタビューが放映されましたが、そこでいくつも感動した話がありました。「白血病の治療は大変だったでしょう」に対して「今生きていられるのはおまけです。辛いことがなければ人生ではない。その結果今がある」。白血病の苦しい治療を経験した人がこのような事を言えるのにはびっくりしました。
    歌舞伎については、「かぶく」とは、「頭を傾け、まっすぐではなく偏っている様。すなわち人生を斜めに構える」こと、したがって「荒事」の根本精神は、弱気を助け悪ををくじく勇気だとのこと。
    100年後へのメッセイジとして「庶民の助けあう精神は江戸時代からあり、まさに歌舞伎の役割はそこにあるので、100年先にも存続することを願っています」 感服!! 
    惜しい役者を失い残念でなりません。 団十郎さんのご冥福をお祈りします。

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    松江寛人

    Author:松江寛人
    がん総合相談センター院長

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